1970年代後半から1980年代半ばにかけて、ルイジ・ギッリは、エミリア＝ロマーニャ州リミニにあるテーマパークの敷地内で、故郷イタリアの風景を瞑想するような一連の写真を撮影した。人気の観光地「イタリア・イン・ミニチュア」では、イタリアの主だった自然や建築物の縮尺模型が、超現実的な近さで一緒に展示されている。ギッリは、視覚的な偶然性と皮肉、幻想と現実、曖昧さと作為に対する特徴的な感性で、この作り上げられた世界を撮影した。縮小と表象という写真独自のプロセスを反映したこれらの写真は、ギッリの最も特徴的で、遊び心にあふれ、概念的に説得力のある作品のひとつである。本書はギッリのイン・スカラ・シリーズ全作品に未公開の写真を多数加え、公園の創設者でありデザイナーでもあるイヴォ・ランバルディの作品と対をなしている。ランバルディの地図、スケッチ、コラージュ、参考画像は、イタリア全土への徹底的なリサーチ旅行で制作されたもので、ミニチュア化の可能性と逆説を類推させる。その率直な機能性は、ギッリの甘美な視点と道具の受容と共鳴している。これらの綿密な表現と製作の作品間の対話から、ギッリの言葉を借りれば、「真実が隠されているのは、まさにこのフィクションの空間の中なのかもしれない」という可能性を見出すことができる。（publisher's description）160p 32x25cm ソフトカバー 2024 English.
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